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朝4時に目が覚めるのはなぜ?早期覚醒の原因と3つの対策

朝4時に目が覚める原因と対策
早期覚醒の3つの対策
アイマスクでの遮光と入浴
昼の休息とアイマスク活用

朝4時に目が覚めるのはなぜ?早期覚醒の原因と3つの対策

午前4時に、勝手に目が覚める

午前4時12分。

ここ数ヶ月、私のスマホの画面にいちばん多く表示されていた時刻です。目覚ましは6時半にかけてあるのに、その2時間以上前に目覚めてしまう

厄介なのは、これが「眠れない夜」とは別物だという点でした。寝つきは悪くない。布団に入って10分もすれば落ちている。それなのに夜中のどこかで勝手にスイッチが入り、しかも中途半端に元気で、二度寝もできない。天井の木目を数えながら、あと2時間ある、という事実だけを噛みしめる時間が続きます。

これを早期覚醒と呼ぶらしい、と知ったのは最近のことです。予定より早く目が覚めて、そのまま眠りに戻れない状態。不眠の型のひとつに数えられていて、寝つきの悪さとは原因も対処も違うのだそうです。

自分の症状に名前がついた瞬間、少し気が楽になったのを覚えています。ただ、名前を知っただけで午前4時が消えるわけではありません。どうしてこうなるのか、そこから調べはじめました。

原因として挙げられているものは、大きく3つに整理できました。

一つめは加齢です。年齢を重ねると、睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の分泌量が減っていくと言われています。分泌が減れば深い眠りの時間も減り、眠りは全体的に浅くなる。浅くなればどうなるかというと、少しの光や物音で目が開くようになります。

若い頃、隣の部屋でテレビがついていようが朝の光が差し込んでいようが、平然と昼まで寝ていられたのを思い出します。あれは体力があったからではなく、単純に眠りが深かったからなんだな、と今になって理解しました。年齢の話をされるとつい身構えてしまいますが、老化というより仕様変更に近いのかもしれません。同じ設定のまま使い続けているから噛み合わない、というだけの話です。

二つ目めはストレス。過度なストレスや不安を抱えていると脳が興奮した状態のままになり、本来リラックスを担当するはずの副交感神経がうまく働かず、メラトニンの分泌も減ってしまう。結果として眠りが浅くなる、という流れです。

心当たりのある方は多いのではないでしょうか。私の場合、午前4時に目が覚める日は、たいてい前日に面倒なメールを一通抱えたまま寝ています。頭のどこかが「あの件、まだ終わってないぞ」と見張りに立っている感じ。眠っているのに、当直の担当者だけが起きている。

そして早朝に目が覚めると、その当直担当者がここぞとばかりに報告を始めます。返信の文面、明日の段取り、なぜか3年前の失敗まで引っ張り出してくる。夜中の脳は物事を悪いほうへ転がす名人で、朝になって読み返せば大したことのない案件が、午前4時には社運を賭けた一大事に見える。不思議なものです。

三つ目は、乱れた生活習慣。就寝と起床の時刻がばらばら、食事の時間もばらばら、夜遅くまで画面を眺めている。こうした習慣が体内時計を狂わせ、眠りの質を落としていくと言われています。

これがいちばん耳が痛い。平日は0時過ぎに寝て、休日は昼まで寝る。夕食は21時のこともあれば23時のこともある。時計を狂わせるためにわざわざ設計したような生活を、何年も続けてきた自覚があります。体内時計からすれば、毎週のように時差のある土地へ出張させられているようなものでしょう。

三つ並べてみると、共通しているのは「体内のリズムが本来の位置からずれている」という点です。加齢でホルモンの出方が変わり、ストレスで自律神経の切り替えが鈍り、生活習慣で時計そのものがぶれる。どれも、布団に入ってからの努力でどうにかなる話ではありません。

つまり手を打つべきなのは、夜ではなく昼のうち。ここが個人的にいちばん腑に落ちたところでした。

夕方から朝までを、ひと続きで設計する

対策1|夕方16時から18時に、外を歩く

光と睡眠の話といえば「朝日を浴びましょう」がお決まりで、私も何度そう言われたか分かりません。朝に日光を浴びると体内時計が整い、夜の適切なタイミングでメラトニンが分泌される、という理屈です。理屈は分かる。分かるのですが、朝が弱い人間にとって「朝日を浴びる」は、できていたら苦労していない類の助言でもあります。

早期覚醒の場合、少し話が違ってきます。狙いは、メラトニンが出はじめるタイミングを後ろにずらすこと。夕方に光を浴びておくと分泌のタイミングが後ろに動き、結果として朝方まで眠りが続きやすくなる、と考えられています。

早く眠くなりすぎるから、早く目が覚める。だったら眠くなる時刻ごと後ろに送ってしまえばいい。言われてみればその通りなのですが、私はずっと「朝の光を浴びていないせいだ」と反省する方向でものを考えていたので、この発想はありませんでした。

やってみて分かったのは、これがいちばん実行しやすい対策だということです。16時から18時といえば、ちょうど夕方の買い物や帰り道と重なります。ひと駅手前で降りて歩く、コンビニまで遠回りする。それくらいで成立します。

ついでに言うと、日が落ちる直前の空はけっこう良いです。眠りの話とは直接関係ありませんが、続ける理由としては十分でした。健康法が続くかどうかは、たいてい理屈ではなく、こういうどうでもいい部分で決まるように思います。

対策2|寝室の遮光を、やりすぎなくらい徹底する

わずかな日光が網膜に入るだけでも、脳は交感神経を優位にして体を起こす方向に動きはじめると言われています。まぶたを閉じていても、光は完全には遮れません。カーテンの隙間から差し込む一本の線でも、脳にとっては十分な合図になる。

夏場の日の出は、東京だと4時半ごろです。私が起きていた4時12分は、まだぎりぎり暗い。でも、そこから先は容赦なく明るくなっていきます。カーテンの上端と天井の間、あの数センチの隙間から、光は毎朝きちんと侵入してきていました。

そこで遮光カーテンに替えました。ただ、カーテンだけだと隙間はどうしても残ります。上下左右、どこかに必ず光の通り道ができる。そこを塞ぐのに手っ取り早いのが、目そのものを覆ってしまう方法でした。

アイマスクという道具は、要するに寝室の遮光工事を顔の上だけで完結させる装置です。カーテンレールを買い替えるより安いし、引っ越しても持っていける。家族と寝室を共有していて自分の都合だけで真っ暗にできない、という事情がある人にも向いています。私たちがアイマスクをつくっているのも、根っこはこの発想です。部屋を暗くするのが難しいなら、目のまわりだけ夜にしてしまえばいい。

ついでに厄介なのが、スマホの通知ランプや家電の待機電源です。あの小さな緑や青の点は、部屋を暗くするほど存在感を増していきます。うちでは黒いテープを貼って潰しました。見た目は最悪ですが、寝室は誰にも見せない部屋なので問題ありません。

対策3|就寝の90分前に、湯船に入る

三つめは入浴です。時間の指定が具体的で、就寝の90分前。

体の内部の温度、いわゆる深部体温は、寝る前に下がっていくのが自然な流れです。入浴で一度この温度を上げておくと、そこから下がる勢いが強くなる。落差が大きいほど深い眠りに入りやすいという理屈で、その落差がちょうどよくなるのが90分後というわけです。

24時に寝るなら22時半に入る。逆算するとそうなります。この90分という数字が絶妙で、長すぎず短すぎない。帰宅してすぐ風呂を沸かし、上がってから夕食を食べ、少し片づけをしていると、ちょうど布団に入る頃になる。生活のなかに無理なく置ける長さです。

正直に言うと、これがいちばん守れていません。帰宅が遅い日は、風呂に入った30分後には布団に倒れ込んでいます。むしろ湯船をやめてシャワーだけで済ませた日のほうが多いくらいです。

ただ、90分空けられた日の翌朝は明らかに違いました。目が覚めた時刻がどうこうというより、起きたときの意識の輪郭がはっきりしている。半年ぶんの記録を眺めても、湯船に入って90分空けた日は4時台の記録が少ない。個人の記録なので統計とは呼べませんが、自分の体で取ったデータは他人の研究結果より説得力があるものです。

三つ並べてみると、順番があることに気づきます。夕方に光を浴びて眠くなる時刻を後ろに送り、90分前の入浴で体温の落差をつくり、寝室を暗くして朝の光を遮る。夕方から朝までを、ひと続きの流れとして設計している。バラバラの裏技ではなかったわけです。

それでも早く目が覚める日のために

ここまで書いておいてなんですが、早期覚醒の裏側に睡眠時無呼吸症候群やうつ病が隠れている場合もあると言われています。散歩も遮光も入浴も、生活の側から手を入れるやり方です。原因がそこになければ、当然ながら届きません。不安を感じるなら、まずは医療機関に相談してみるのが確実だと思います。自己流で粘る期間が長くなるほど、しんどい時間も長くなります。

私自身、対策を始めてから午前4時が消えたかというと、そんなことはありません。締切前の週は今も普通に起きます。ただ、起きたときの気持ちが変わりました。以前は「またか」と天井を睨んでいたのが、今は「昨日は散歩をサボったな」と原因の見当がつく。分からないまま起きているのと、心当たりがあって起きているのとでは、その2時間の重さがまるで違います。

眠りは、布団に入ってから始まるものではないようです。夕方に何をして、何時に風呂に入り、どんな明るさの部屋で目を閉じたか。その積み重ねの結果として朝が来る。ベッドの上でできることは、思っているよりずっと少ない。

夜がうまくいかなかった日のために、昼に休む手段を持っておくのも悪くない選択だと思っています。15分から20分、目を閉じて何も見ない時間をつくる。午前4時に起きてしまった日の午後を、それでどうにか乗り切ってきました。デスクでアイマスクをつけて15分。会議室が空いていればなお良し。夜の失敗を昼に取り返すという発想は、意外と実用的です。

休むことは、悪ではありません。むしろ、夜のために昼を整えるという意味では、まっとうな仕事の一部だと思うのです。

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