「午後の会議、眠くなる…」それ、あなたのせいじゃありません
昼食後に眠くなるのは自然なこと?午後の眠気の理由と付き合い方
昼食を終えて席に戻ると、なぜかまぶたがずっしり。会議の資料を眺めながら、気づいたら頭がカクンと落ちてハッと目が覚める。隣の席の同僚も同じようにあくびを噛み殺している。オフィスでよく見かける光景です。
「午後の仕事って、どうして眠くなるんだろう?」 実はこれ、意志の弱さでもなければ、昨日夜ふかししたせいだけでもありません。体の仕組みとして、ごく自然なことなんです。
今回は、そんな「午後の眠気」の正体と上手な付き合い方を、解説します。
「昼寝=怠け者」という時代は終わった
少し前までは「昼寝=さぼり」と思われがちでした。上司に「居眠りする暇があったら資料を進めろ!」なんて言われた人も多いかもしれません。
でも今は研究でも「短時間の昼寝はむしろ生産性を上げる」と証明されています。NASAの調査では、26分の仮眠で作業効率が3割以上も改善したというデータもあるほど。
つまり昼寝は、午後を気合で乗り切るための秘密兵器。ビジネスパーソンにこそ必要な習慣なんです。最近は大手企業でも「仮眠スペース」を作ったり、社員に昼寝を推奨するところが出てきました。眠気と闘うより、素直に昼寝を取り入れた方が合理的だというわけです。
理由その1:体内時計のリズム
人の体には「体内時計」が備わっていて、眠気が出る時間がほぼ決まっています。起きてから7〜8時間後と、夜の21〜22時間後に眠くなるようにセットされているんです。
たとえば朝7時に起きた人は、午後2時前後に眠気が強まる。ちょうど昼食後にドンピシャでやってくるわけです。
だから午後にウトウトするのは自然現象。となりで舟を漕いでいる同僚を見ても「昨夜ゲームやりすぎたんだな」と決めつけるのは早すぎるかもしれません。
理由その2:副交感神経が働くから
お昼ごはんを食べたあとって、体が「リラックスモード」に切り替わります。これは副交感神経が働くサイン。消化を助けるために胃や腸に血流が集まるので、脳への血流が減って頭がぼんやりするんです。
つまり「食後に眠い」というのは、体がちゃんと働いている証拠。健康な反応ともいえるんですね。
理由その3:血糖値のアップダウン
もうひとつの大きな理由が「血糖値」です。食後に血糖値がぐんと上がると、体はインスリンを出して下げようとします。ところが下げすぎてしまうと今度は低血糖に近い状態になり、脳のエネルギーが不足して眠くなるわけです。
特に白いごはんやパン、甘いものを食べたときに眠くなりやすいのは、この血糖値のジェットコースターが原因。午後の仕事前にデザートを食べすぎると、眠気との戦いが一層ハードになります。
昼寝で午後を救う
眠気を我慢しながら仕事をしても、効率はガタ落ちです。書類の誤字脱字は増えるし、会議では頭が回らない。そんなときは、短い昼寝が一番の特効薬。
15〜20分くらいの仮眠で、頭はすっきりリセットされます。さらに、寝る前にコーヒーを飲むと、目覚める頃にちょうどカフェインが効きはじめてシャキッとする「コーヒーナップ」もおすすめです。
オフィスでよく見る昼寝の姿
- 机に突っ伏す派:起きたとき、手の跡が顔にくっきり残るのはご愛敬。
- 会議室こっそり派:空いている会議室のソファでひと眠り。ただし次の会議参加者に見つかるリスクあり。
どれもよくある光景ですが、やっぱりアイマスクやクッションなど専用アイテムを使った方が快適。効率的に回復できるので「ちゃんと昼寝する」ことの大切さがよくわかります。
眠気は「敵」ではない
昼食後の眠気は、体内時計・自律神経・血糖値の変動が重なった自然な反応です。無理に戦うよりも、短い仮眠を取り入れて味方につけた方が、午後のパフォーマンスは確実に上がります。
眠気を恥じる必要はありません。次に会議中にまぶたが落ちそうになったら、こう思ってください。 「これはサボりじゃない、体の仕組みなんだ」と。
そして、ほんの15分の仮眠で午後を乗り切る自分を応援してあげましょう。