誰もが気になる『食後すぐ寝ると太る』の真実
昼ごはんのあと、どうしても眠くなる。「ちょっと寝たいな」と思うけれど、ふと頭に浮かぶあの言葉。
「食後すぐ寝たら太るよ」
子どもの頃から何度も聞かされてきたこのフレーズ、正直、気になりますよね。
午後に向けてもうひと頑張りしたい。でも太るのはイヤ。結局、目をこすりながら我慢して仕事を続ける……。
でも、実はこれ、ちょっとした誤解なんです。
「食後=眠い」は、むしろ健康な証拠
まず最初に言いたいのはこれ。食後に眠くなるのは、あなたの体がちゃんと働いている証拠。
食事をすると、体は消化モードに切り替わります。血液が胃腸に集まり、エネルギーを使って栄養を分解する。その間、脳への血流は少し減るので、自然と眠くなる。
つまり、「昼ごはん食べたら眠い」のは“正常運転”。
だから、眠いのを我慢して仕事を続けるのは、例えるなら、スマホが「充電して」と言ってるのに無視して使い続けるようなもの。そりゃあ、午後にはバッテリー切れになります。
じゃあ、寝たら太るの?という疑問にズバリ答えると…
はい、気になる本題に入りましょう。
結論から言うと——2時間未満の昼寝では太りません。
太る・太らないに関係しているのは「ノルアドレナリン」というホルモン。これは体の中で代謝を活発にし、脂肪の燃焼を助ける働きをします。
このホルモンは、2時間以上ぐっすり眠ると分泌が止まり、代謝が落ちます。でも15〜30分くらいの軽い昼寝ではその影響はありません。むしろ脳や神経の疲れを取ってくれて、午後のパフォーマンスが上がる。
つまり、太るのは「長く寝すぎること」であって、昼寝そのものではないのです。
睡眠不足のほうが、むしろ太りやすい
実は「昼寝したら太る」よりも注意すべきは、「寝不足のほうが太りやすくなる」という事実。
寝不足が続くと、食欲をコントロールする2つのホルモン——「グレリン」と「レプチン」が乱れます。
- グレリン:お腹がすいたと知らせるホルモン
- レプチン:満腹感を伝えるホルモン
睡眠が足りないと、この2つのバランスが崩れ、グレリンが増えて、レプチンが減る。つまり、食欲が暴走してしまう。
夜中にラーメンを食べたくなるあの衝動、もしかすると意志の弱さじゃなくてホルモンのせいかもしれません。
だから、睡眠が足りない日は、むしろ昼寝をして“睡眠負債”を少しでも返しておくほうが賢い。眠ることが、結果的に体型を守る行動になるんです。
「食べてすぐ寝る」はNG。でも“少しあとに寝る”はOK。
ここでひとつ注意点。「食後すぐ寝る」と胃が圧迫され、消化が遅れたり、胃酸が逆流しやすくなったりします。
だから、食べたあとは20〜30分ほど間をあけてから昼寝をするのが理想。消化も落ち着いて、体もリラックスしやすい時間です。
ちょうどその頃には、血糖値の変動で眠気もピークになるので、“自然に心地よく眠れるタイミング”とも言えます。
おすすめはこんな流れ。
- 昼食をゆっくり食べる(急いで食べると眠気が強くなる)
- 食後に少し歩く(コーヒーを入れに行くくらいでOK)
- 20分後に、15分間の仮眠
これで消化にも良く、午後もスッキリ。「午後の自分、けっこうやるじゃん」と思えるはずです。
ちなみに、寝不足の人ほど昼寝をしたほうがいい
意外なことに、睡眠不足が続くと、食欲ホルモンだけでなくストレスホルモンも乱れます。
寝不足の人ほどイライラしやすく、甘いものを欲しやすい。これは脳が「糖分で一時的に元気を出そう」としているだけ。
でもそれを昼寝で補えば、脳が自然に落ち着き、食欲も安定してきます。つまり、昼寝は“心の暴食”を防ぐクッションみたいなもの。短いけれど、驚くほどバランスを取り戻してくれる時間なんです。
HIRUNEGAO式「太らない昼寝」のポイント
- 食後すぐには寝ない:20〜30分後がベスト
- 時間は15〜20分:長くても30分以内に
- ベッドではなく椅子で軽く:横になると深く眠りすぎる
- 起きたら光と水:体のスイッチを入れる
これだけで午後の眠気は解消、代謝も整い、頭も冴える。昼寝を“太るリスク”ではなく、“パフォーマンスを上げるスイッチ”として捉えると、人生けっこう変わります。
「寝たら太る」は、もう昔の話
「寝る子は育つ」と言われるように、睡眠は成長にも、代謝にも、回復にも必要な行為です。
食後すぐの2時間爆睡はおすすめできませんが、15分の昼寝ならむしろ健康的。眠ることで体のホルモンが整い、結果的に“太りにくい体質”をつくってくれます。
食べて、ちょっと休んで、また頑張る。それが本来、人間が一番自然に過ごせるリズムなのかもしれません。
さいごに:罪悪感のいらない「午後のひとやすみ」を
「昼寝=サボり」そんなイメージを、そろそろ変えていきたい。昼寝は怠けではなく、戦略。たった15分、自分を整えるための投資です。
太るかどうかを気にするよりも、“どう眠るか”を考えたほうが、ずっと生産的。
午後の空気が少しゆるんだ頃、コーヒーを一口飲んで、静かに目を閉じる。それだけで、身体も心も軽くなる。
HIRUNEGAOは、そんな小さな「昼寝の文化」を、もっと広めていきたいと思っています。
今日のまとめ
- 食後に眠くなるのは自然な反応
- 2時間未満の昼寝では太らない
- 睡眠不足のほうがむしろ太りやすい
- 食後20〜30分あけてから15分寝るのがベスト
- 昼寝は“太る行為”ではなく、“整える習慣”
さあ、罪悪感を脱ぎ捨てて、午後の15分、静かなリセットを。あなたの体は、それをちゃんと待っています。




