昼寝って、本当は“最強の仕事術”なんじゃないか?
科学が教えてくれた、午後の過ごし方の正解
最近、昼食後の時間がやけに長く感じるんですよね。
パソコンの画面の文字がふっと霞んだかと思うと、急に睡魔が背後から肩を叩いてきたりして。
「はい、お昼寝の時間ですよ〜」みたいな調子で。
寝るわけにはいかないけれど、寝たら確実に楽になる気配もあって。
こんなの、ちょっとズルいですよね。
ところが最近、その“ズルい感じの昼寝”が、実はかなり理にかなっていると知って驚きました。
しかも、ただ気持ちいいだけではなくて、「夜の睡眠の3倍ぐらい効くらしい」という話まであるんです。
にわかには信じがたいですが、どうやら世界中で本気の研究が行われている模様。
今回は、そんな昼寝の知られざるパワーを、できるだけ分かりやすく、そして少し個人的な感想も混ぜながらお伝えしていきます。
■ まず、日本の研究でわかった「たった15分の威力」
日本の厚生労働省が行った調査によると、
15分の仮眠をとったグループは、そうでないグループに比べて作業効率が上がった
そうです。
15分って、本当に一瞬ですよ。
オフィスの電子レンジで“温め中”の時間とそんなに変わりません。
なのに効率が上がるなんて、寝たほうが働くってどういうことだ、という気持ちになります。
実際、私自身も仕事の合間に短い昼寝を試してみたことがあるのですが、起きた瞬間に頭のモヤが晴れて、「あれ? さっきまでの眠気どこ行った?」と不思議でした。
短いのに効く。これが“パワーナップ(短い昼寝)”の恐るべき実力です。
■ 宇宙レベルの研究:NASAのパイロットも昼寝していた
さらに驚いたのは、NASAの研究。
宇宙飛行士やパイロットの昼寝の研究なんて、なんだか世界が違いすぎて「映画の話?」と思いたくなりますが、実際に行われた研究です。
結果はというと、
26分の昼寝で効率が34%、注意力が54%も向上。
26分。
スマホの充電が1%しか増えないときの、あのもどかしい時間よりちょっと長いくらい。
昼寝でそんなに変わるなら、午後に眠気と戦っているのがバカらしくなってきます。
それにしても、宇宙に行くような人たちが昼寝をしているって、妙に説得力があります。
「宇宙飛行士でさえ昼寝してるんだから、俺も昼寝していいだろ」というヤバい言い訳にもなるのでおすすめです。
■ 週3回昼寝するだけで、死亡リスクが37%低下する?
ここまででも充分すごいのですが、さらに衝撃的なデータがあります。
ハーバード大学とアテネ大学が行った大規模研究では、
週に3回昼寝をする人は、そうでない人に比べて死亡リスクが37%低かった
そうです。
これには私も目を疑いました。
だって“昼寝と死亡率”って、あまり結びつかないじゃないですか。
昼寝ごときが寿命に関係するのか…と。
でも冷静に考えると、昼寝ってストレスを和らげたり、心臓の負担を減らしたり、いろんな変化が身体の中で起きているようなんです。
“昼寝=健康にいい習慣”というのは意外と筋が通っています。
■ 昼寝習慣がある人の脳は「2.6〜6.5歳若い」という研究
そしてもう一つ驚いたのが、脳に関する研究。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、
昼寝をする人はしない人に比べて、
脳の体積の減り方が「2.6〜6.5年ほど遅い」
という結果が出ています。
脳の体積が減りにくい=脳が若い状態を保ちやすい、ということ。
まさか昼寝にアンチエイジング効果まであるとは思いませんでした。
昔は「昼寝なんて時間の無駄」と言われることもあったのに、今となっては
「昼寝してないほうが損しているのでは?」
とさえ感じます。
■ 昼寝前のコーヒーは、実はかなり理にかなっているらしい
「昼寝すると頭がぼんやりする」という悩みを持っている人も多いと思います。
私も以前はそうでした。
そんなときに知ったのが、広島大学の研究。
なんと、
昼寝する前にコーヒーを飲むと、スッキリ目覚められる
という結果があるんです。
最初は「逆じゃん」とツッコミしましたが、理由を知ると納得です。
カフェインが効いてくるのは20〜30分後。
つまり飲んでから昼寝すると、起きるタイミングでカフェインが効いてくるわけです。
この方法、実際に試してみると本当に良い。
騙されたと思ってやってみてほしいです。
■ どの研究も共通している「昼寝の条件」
ここまでの研究を見ると、“昼寝なら何でもいい”というわけではなく、共通点があります。
● 昼寝の長さは10〜30分以内
30分以上寝ると深い睡眠に入ってしまい、逆に眠くなる可能性が高い。
短いほうがいいというのが、研究の一致点です。
● 昼食後1〜2時間のタイミングがベスト
体内時計的にも、食後の眠気をうまく利用できる時間。
● 起きたあとは強い光を浴びる
身体が一気に“午後モード”に切り替わります。
● 明るさを遮る環境があると尚良い
光があると脳が休まりにくいので、
アイマスクは思った以上に効果が大きい。
(昼寝用のアイマスクを作っている身としては、声を大にして言いたいポイントです。)
■ 昼寝は「サボり」ではなく“戦略”だった
昔の職場では、昼寝なんてしたら怒られる雰囲気でした。
社会人は働くものであって、昼寝なんて学生のすることだ、と。
でも研究結果を並べてみると、昼寝はむしろ
・集中力を上げ
・生産性を高め
・脳の健康を守り
・長期的な健康リスクを下げる
立派な“戦略”です。
仕事が早い人って、案外こういうことを自然にやっている気がします。
自分のコンディションの整え方を知っているというか。
「昼寝すると怠けてるように見える?」
そんな心配はもう過去のものです。
昼寝している姿を誰かに見られたら、むしろこう言ってしまいましょう。
「いや、これは効率上げるための投資なので」
■ 今日から実践したい“昼寝の正しいやり方”
最後に、私自身がいろんな研究を読んだり、実際に試したりしてたどり着いた“昼寝のコツ”をまとめます。
- 寝る前にコーヒーを飲む
- 10〜20分だけ目を閉じる
- 可能ならアイマスクで光を遮る
- 起きたら窓を開けて光を浴びる
- 午後の予定の前に1回リセットするつもりで寝る
この5つだけでも、午後の生産性がまるで変わります。
■ 最後に:昼寝は“最強の自己メンテナンス”
昼寝の話を調べていると、「なんでこれ、もっと早くから学校で教えてくれなかったんだろう」と思うほど、メリットが多い習慣です。
- 作業効率UP
- 注意力UP
- ストレス軽減
- 脳の老化予防
- 健康リスクの低下
これってもう、サプリでもトレーニングでも到底たどり着けないレベルの効果なんじゃないかとすら思います。
そして何より、昼寝って気持ちいい。
義務でも修行でもなく、純粋に心地よい。
それでいて、午後のあなたを“別人レベル”で働ける状態にしてくれるのだから、これはもう積極的に取り入れたほうがいい。
今日の午後、スマホのアラームを15分にセットして、コーヒーを飲んで、アイマスクをかけてみてください。
その15分が、あなたの午後…いえ、あなたの毎日をかえるかもしれません。




