休日の「寝だめ」は効果ある? 研究で分かった本当のところ






休日の「寝だめ」は効果ある? 実験で分かった意外な事実
平日の寝不足、つらいですよね。
朝はアラームに追い立てられ、夜は仕事や家事、SNSや動画で気づけば深夜。そんな日々が続いて「週末こそ爆睡して取り戻すぞ!」と意気込んだ経験、きっと誰もがあると思います。
でも、ちょっと待ってください。その「寝だめ」、本当に効果あるのでしょうか?
今回は、そんな疑問にズバリ答えてくれるアメリカの研究をご紹介。週末の寝だめが私たちの健康にどんな影響を与えるのか、科学の目で検証された結果がとても興味深いんです。
実験の概要:3つのグループに分かれて9日間
この研究では、18〜39歳の健康な男女36人を対象に、3つのグループに分けて9日間の生活を観察しました。
- ① 9時間しっかり寝るグループ:毎日9時間の十分な睡眠をとる。
- ② 5時間しか寝ないグループ:平日も週末も関係なく、ずっと5時間睡眠。
- ③ 寝だめグループ:平日は5時間睡眠。週末だけは好きなだけ寝てOK。
この3つのグループで、睡眠が心身にどう影響するのかを比較したわけです。
寝だめの意外な落とし穴
「週末にたっぷり寝ればリカバリーできるでしょ」と思いたいところですが、研究結果はちょっと残念な内容でした。
寝だめグループの人たちは、確かに週末に長く寝ました。でも、増えた睡眠時間は1日あたり約1時間程度。平日の不足分を帳消しにするには到底足りない量だったんです。
それだけでなく、平日になると寝つきが悪くなったり、体内時計が乱れたりと、むしろ生活リズムが崩れてしまうという問題も起きてしまいました。
つまり、「寝だめでリセット」は都合のいい幻想だった、ということです。
体重が増えた!?思わぬ副作用も
もっとショッキングだったのが、寝だめグループの一部の人が体重の増加を経験していたこと。
長く起きている時間が増えることで、つい間食が増えたり、活動量が減ったりして、最大で1.3キロも増えてしまった人もいたというのです。
これは「寝る子は育つ」どころか、「寝だめする大人は育ちすぎる」という話ですね…。
さらに、糖尿病のリスクが高まるなど、健康面でのマイナス効果も示唆されています。
じゃあどうすればいいの?
研究チームが導き出した答えは、非常にシンプルです。
「毎日できるだけ同じ時間に、7時間以上の睡眠をとることが理想的」
特別なサプリも、高価なマットレスも必要ありません。大切なのは毎日の積み重ねなんですね。
テレビやスマホを見る時間を少しだけ削って、夜のうちにしっかり寝る。その方が翌日の集中力も上がるし、体調も整う。要するに、生活リズムを整えることが一番の近道なんです。
今日からできる3つの習慣
-
スマホは寝る1時間前にオフ!
脳が興奮して寝つきが悪くなる原因になります。 -
寝る前のルーティンをつくる
ハーブティーや軽いストレッチ、照明を落とすなど、眠る準備を。 -
起きる時間は毎日同じに
体内時計の乱れを防ぎ、週末のリズム崩れも防止できます。
最後にひとこと
私たちはつい「週末に帳尻を合わせれば大丈夫」と思いがちですが、体はそんなに都合よくできていないようです。
今回の研究が教えてくれたのは、「毎日の睡眠こそが最強の健康法」ということ。
寝だめに頼るよりも、平日にしっかり7時間。これが、心も体も整える秘訣なんですね。
「よく寝る人が、よく働く」。そう信じて、今夜はスマホをちょっと早めに置いて、いつもより10分でも早くベッドに入りましょう。
あなたの明日が、ちょっとだけ軽やかになりますように。
出典:
https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.01.069
“Weekend Catch-Up Sleep Is Not Sufficient to Prevent Metabolic Dysregulation”