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4:6:11の法則とは|起床後4・6・11時間でやる3つのこと

 

脳と体を活性化する4:6:11の法則
起きて4時間以内に日光を浴びる
起きて6時間後に昼寝をする
起きて11時間後に体を動かす

「何時に寝ればいいですか」の答えは、起きた時刻にある

後輩に「結局、何時に寝るのが正解なんですか」と聞かれたことがある。

答えに詰まった。
十一時と言えばその人は十一時に布団へ入るのだろうけれど、朝五時に起きている人と九時に起きている人とでは、話がまるで変わってしまう。
それで「何時に起きてるの」と聞き返したら、きょとんとされた。
寝る時間の相談をしているのに、なぜ起きる時間を聞かれるのか、という顔だった。

睡眠の話になると、たいてい「何時に寝るか」だけが議題になる。
布団に入る時刻を一時間早めれば、そのぶん眠れるはずだ、と。
ところが実際にやってみると、早く入ったところで目は冴えたままで、天井の木目を数えながら一時間を溶かす。
心当たりのある人は多いと思う。

順番が逆なのだと思っている。
夜の寝つきは、夜につくられるものではない。

朝、目が覚めた時点から、その日の夜の下ごしらえはもう始まっている。

その段取りを、起床時刻からの経過時間だけで整理したのが「4:6:11の法則」と呼ばれるものだ。
起きてから四時間、六時間、十一時間。
この三つの時点に、それぞれやっておくといいことが決まっている。
覚えるのは数字三つで、あとは起きた時刻に足し算するだけでいい。

朝七時に起きた日なら、十一時まで、十三時ごろ、十八時ごろ。

最初の「4」からいく。
起きてから四時間以内に、日光を浴びる。

体内時計は一日きっかり二十四時間ではなく、少し長めにできていると言われている。
放っておくと毎日じわじわ後ろにずれていく。
それを毎朝ゼロに戻しているのが朝の光らしい。
カーテンを開けて外を見る、ベランダに出る、一駅ぶん歩く。
やることとしてはその程度だ。

おもしろいのは、朝に光を浴びた時刻が、そのまま夜の眠気の予約時刻になるという点だと思う。
浴びてからおよそ十四〜十六時間後に、眠りを促すホルモンが出てくるよう仕込まれると言われている。
七時に浴びたなら、二十一時から二十三時あたり。
逆にいえば、昼過ぎまで部屋にこもっていた日は、夜になっても予約そのものが入っていない。

休日の夜に限って眠れないのは、たぶんこれだ。
土曜に昼まで寝て、カーテンを閉めたまま配信ドラマを三話続けて見て、気づけば夕方。
その日の夜に眠くならないのは意志の弱さではなく、朝に予約を取り忘れただけという話になる。
翌日が休みだからと夜更かしして、月曜の朝に泣く流れまで含めて、毎週きちんと再現される。

室内の照明では足りない、ともよく聞く。
曇りの日の屋外でも、オフィスの蛍光灯よりずっと明るいそうだ。
「窓際の席だから大丈夫」は、たぶん大丈夫ではない。
窓を開けて顔を出すか、ゴミ出しのついでに少し遠回りするか。
それだけでも違うらしい。

雨の日はどうするのか、と聞かれたこともある。
土砂降りでも外の明るさは室内とは桁が違うそうなので、傘をさして五分歩けば用は足りる。
冬の朝は日の出自体が遅いので、七時に起きると外がまだ暗いこともあるが、その場合は明るくなってからでいい。
四時間という猶予は、そのためにあるようなものだと思っている。

起きる時刻が毎日バラバラだという人もいると思う。
その場合も考え方は同じで、基準になるのはあくまでその日に目を覚ました時刻だ。
九時起きの日は十三時までに外へ出れば帳尻が合う。
固定の時刻を守る話ではなく、起きた時間から数える話なので、生活が不規則な人ほどむしろ使いやすいかもしれない。

この四時間という設定が、わりと優しい。
起きてすぐ外に出ろと言われると無理があるが、七時起きなら十一時までに一度でも外気に触れればいいだけだ。
駅まで歩いて通勤している人は、何もしなくてもすでに達成している。
在宅勤務の日だけ気をつければいい、という人も多いと思う。

起きて六時間後、昼に一度だけ落とす

次の「6」は、昼寝だ。

七時起きなら十三時ごろ。
昼食のあと、午後の最初の会議が始まるかどうかという頃合いになる。
ここで一度、短く目を閉じる。

人の眠気は夜にだけ来るものではなく、起床から六時間ほど経ったあたりにも一度やってくると言われている。
昼食のせいで眠くなるのだと思われがちだが、食べなくても同じくらいの時間に来るらしい。
昼のあの眠気はサボりの証拠ではなく、もともと体の予定表に書き込まれているものということになる。

だったら、戦わずに乗ったほうが早い。

長さは十五分から二十分。
これより長いと深いところまで落ちてしまって、起きたあと三十分くらい使いものにならなくなる。
昼寝をして余計にだるくなった経験がある人は、ほぼ間違いなく寝すぎている。
タイマーは必ずかけたほうがいい。

「ちょっとだけ」は、どういうわけか必ず一時間になる。

寝つけなくても構わない、というのがこの法則のありがたいところだと思う。
目を閉じて視界からの情報を切るだけでも、戻ったときの頭の軽さは違ってくる。
開きっぱなしのタブを一度閉じるようなもので、眠ること自体が目的ではない。

実際、最初の何回かは眠れないほうが普通だ。
昼間に目を閉じるという行為に体が慣れていないので、「寝なければ」と思えば思うほど冴える。
寝られたら得、くらいの気分でいるのがちょうどいい。

姿勢は、完全に横にならないほうがいい。
ソファやベッドに寝転ぶと、体が「夜が来た」と判断して本気で沈んでいく。
椅子を少し倒すか、机に突っ伏すくらいで止めておく。
中途半端な体勢のほうが、起きるときが楽だ。

場所は意外と見つかる。
自席で突っ伏してもいいし、人目が気になるなら車の中、休憩スペースの隅、昼どきを外したカフェの奥の席。
十五分静かにしていられる場所は、探してみると思ったよりある。
以前いた会社で昼寝がいちばん上手だったのは、毎日きっちり車に戻っていた営業の先輩だった。
昼に戻ってこないので最初はサボりを疑われていたが、午後のアポ数がいちばん多いのもその人だった。

厄介なのは光と音のほうで、オフィスの昼休みは電気がついているし、隣で誰かが電話をしている。
この状態で目を閉じても、なかなか沈んでいかない。
アイマスクと耳栓を引き出しに入れておくと現実的だと思う。
道具に頼るのは横着ではなく、条件をそろえる話だ。

起きられるか不安なら、横になる前にコーヒーを一杯飲んでおく手もある。
カフェインが効いてくるのは飲んでから三十分ほど経ってからだと言われているので、ちょうど起きたい頃に効いてくる計算になる。
熱いまま飲むと時間を食うので、少し冷ましておくといい。

最後まで残るのは、たいてい後ろめたさのほうだと思う。
昼間に寝るなんて、という気持ちはよくわかる。
ただ、午後ずっと回らない頭で画面を眺めているのと、十五分寝てから残りを片づけるのと、どちらが仕事として誠実かというと、わりと明確ではないだろうか。

ここまでで、朝に予約を入れて、昼に一度リセットした。
残りはひとつだ。

起きて十一時間後が、夜の仕込み時間

最後の「11」は、夕方にあたる。
七時起きなら十八時ごろ。
ちょうど退勤前後の、いちばん「もう何もしたくない」時間帯だ。

ここで軽く体を動かすか、湯船に入る。

なぜこのタイミングなのかというと、体温が関係しているらしい。
人の体温は一日のうちで上下していて、起床から十一時間後あたりにいちばん高くなると言われている。
その高いところをもう一段引き上げてやると、下がるときの落差が大きくなる。
眠気は体温が下がる過程で訪れるそうなので、落差が大きいほど夜にストンといきやすい、という理屈になる。

坂を下るために、いったん上まで登っておく感じだと思えばいい。

運動といっても、ジムに行けという話ではない。
一駅ぶん歩く、階段を使う、夕食の買い物でわざと遠い店を選ぶ。
息が少し弾むくらいで足りるらしい。
筋トレを三十分やる必要はないし、むしろ張り切りすぎると今度は頭が興奮して寝つけなくなる。
帰り道を少し変える程度が、続けるには現実的だと思う。

時間が取れない人は、入浴のほうが早い。
四十度前後の湯に十五分ほど浸かると、同じように体温が一度上がって、その後ゆっくり下がっていく。
下がりきるまでに九十分ほどかかると言われているので、寝たい時刻から逆算して一時間半前に湯船へ入ると計算が合う。
二十三時に寝たいなら二十一時半だ。

シャワーで済ませている人は多いと思うし、自分も夏場はそうだった。
ただ、寝つきで困っているなら、湯船に入った日と入らなかった日を一週間ずつ比べてみる価値はある。
思っていたよりはっきり差が出て、それ以来、夏でも湯を張るようになった。

逆に、この時間帯にやってはいけないことがひとつある。
寝てしまうことだ。

帰りの電車で座った瞬間に落ちる。
ソファで二十分だけのつもりが一時間。
夕飯のあと、テレビの前でうたた寝。
全部やったことがあるので強くは言えないが、ここで寝ると夜の眠気が綺麗に消える。
朝に取った予約を、直前でキャンセルしているようなものだと思う。
どうしても限界なら、十一時間後より前に済ませてしまったほうがまだいい。

三つ並べてみると、やることはどれも地味だ。
朝に外へ出る、昼に目を閉じる、夕方に体を動かす。
新しく買うものはないし、特別な時間も要らない。

それでも、この三つに共通しているのは「夜に頑張らない」という点だと思っている。
寝る直前にできることは、実はそう多くない。
照明を落とす、スマホを置く、せいぜいそのくらいだ。

勝負のほとんどは日中についている。

全部やろうとしなくてもいいと思う。
まずは「4」だけでいい。
明日の朝、起きて四時間以内に一度だけ外へ出る。
それで夜の様子が変わるようなら、翌週に「6」を足す。
三つ同時に始めて三日で飽きるより、そのほうが残る。

冒頭の後輩には、結局「何時に起きたか教えてくれたら、何時に寝ればいいか計算するよ」と返した。
しばらくして報告があって、朝の光と夕方の散歩はなんとかなったが、昼寝だけは会社で目を閉じる勇気が出ないのだという。

会社での昼寝が浸透したほうが、会社にとっても社員にとってもいいことばかりだと思うのだが。

睡眠が整わないのは、夜のせいだけとは限らない。

眠りの質は、「暗さ」と「重さ」で変わる。

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